植栽の配置、屋根の傾斜、外壁の塗り壁、門の素材、
全てをバランスよく調和させ存在感のある和モダンなつくりにしました。
おおらかな大きな屋根が家全体を優しくつつみこむようなイメージをもたらし安心して帰ってこられる家になって
います。
正面にはふすまは使わず。さらに、家を壁で囲みプライバシーをしっかりと確保しました。
日本人の心に息づく和の心はつむぎながら、現代の暮らしに上手く溶け込んでいます。
広い玄関には小さなディスプレイスペースや羽目板の天井、格子扉などアクセントをちりばめました。
一つ一つの段差を下げたりサイドに座って靴を履くエリアを設けたりすることで
足腰の弱い人にも思いやりをもった仕上がりを目指しました。
小さな工夫の数々が上質な空間を造り上げ、家の顔たる玄関から、家そのものの優しい雰囲気を味わうことができる。
そんな『思いやり玄関』です。
日本の伝統を重んじ囲炉裏を設けました。
寒い冬の一日には火を灯し、囲炉裏で温まりながら家族と一緒に鍋や団らんを楽しめます。
天井も伝統的な手法である羽目板張りで味わい深く仕上げました。
静けさや荘厳さ、畳の香り、障子からうっすらと差し込む光など
どこか異世界に来てしまったような非日常的な安らぎを感られるようにゆとりのある空間にしました。
障子をあければすぐそこには中庭が広がります。
四季の移ろいを感じながら
ゆっくりと夢と現(うつつ)との間でまどろむひと時は何にも代えがたい至福の時になるでしょう。
廊下は直線距離を長くとることで、見通し良さと広がりを生み出しました。
フローリングは明るめの色を採用し、木のぬくもり、陽のぬくもりを存分に感じられる住まいになっています。
動線としてもシンプルで効率的です。
LDKには小上がりを造り、壁を作ることなく変化を与えました。
憧れの掘りごたつが夕飯後のくつろぎ時間を後押ししてくれます。
畳も敷いて、どこでも寝ころべる癒しのダイニングができあがりました。
窓際の動線スペースも幅広で、実際以上に広々と感じる空間になっています。
LDKは一直線上に配置しました。
キッチンは眺望が良い見晴らしキッチンです。
朝はここから子供たちに学校への準備を促しつつ朝食の準備を。
夕方は、小上がりで宿題をする子供たちの姿を見ながら夕食の支度を。
目線に障害物がないため、いつでも家族の存在を感じ取ることができる優しい空間となっています。
大きな窓からは太陽の光がたくさん入り、リビング・ダイニング・キッチンを常に明るい雰囲気にしてくれる
でしょう。
直線的な梁の役割も大きく、のびやかに奥行きを生み出しました。
中庭を囲うようにコの字型の造りにしたことで、どこにいても庭を望めます。
家のどこからでも自然とアクセスでき
絶えず植物・風・光とつながることで仕事で疲れた心にゆとりを与えてくれます。
家にいるだけで、忙しなさを少しずつリセットしてくれる。癒し効果が期待できる構造となりました。
夜になるとさらに上質な雰囲気がにじみ出てきます。
効果的に配置されたスポットが
中庭の木々をぼんやりと照らし、障子越しに浮かび上がった影が何とも言えない趣を生み出します。
お勧めは秋の夜に、あえてスポットを消してみることです。
秋の夜長を満月に照らし出された木々のシルエットや虫の声とともにお楽しみください。